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姫金魚草

三国恋戦記中心、三国志関連二次創作サイト

   

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雑記と拍手レス(おそくなりました)

大戦動画をちまちま見るのが日課です。
求心曹操は結構好き。あの不敵な笑みがたまらん。
魏の軍師はやっぱり郭嘉が格好いいよなー。トキメキ!(違う)


シリアスな話が続いたので、久しぶりに玄兄。正義の味方であることは、愛するひとりと百人を天秤にかけたとき、愛するひとりを犠牲にすることを躊躇わないということだ――というのは、あれだな、Fateの影響を受けすぎているかもわかりません。
そういえば最初に仲謀のキャラデザを見たときは、「我様wwwww」と思ったものでした。実際やってるときはどっちかというと「一人楽しすギルwww」のほうのギルのイメージでしたが。ネタわからん方、すみません。



拍手レス溜めてましたすみません。

拍手[5回]

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・・・おそくなりました

漢の意地 (玄徳)

かぽーん。
鹿威しなど無論存在するはずもないが、雲長の脳裏では確かにその音が鳴り響いていた。
「孔明」
「はい、なんでしょう」
どこか固い顔をした玄徳に、涼やかな顔で孔明が応じる。さて俺はなぜこんなところに居るのだろう……。内心で溜息をつくが、もう出て行くタイミングも喪われてしまった。席を外そうかと言ったのは、決して玄徳のためではなく、雲長自身のためだったのだが、朗らかな顔で構わないといわれてしまっては出てもいけない。
自分はどうしてもこういう貧乏くじを引くように出来ているのだ。天命という奴なのだろう。せめて飽きることがないようにという要らぬ配慮なのかもしれない。
「花の、ことなんだが」
「はいはい」
なんだかいっそ面白くなってきて、雲長は観戦を楽しむことに決め、壁に寄りかかった。玄徳も孔明も、運長のことなど意識から外しているだろう。
「その、な。……正式に、妻に迎えたいと思うんだが」
「……」
流石にそこでは、軽くはいとは言えないか。孔明がすっと目を細め、玄徳が唇を引き結ぶのが見える。
沈黙。
(かぽーん)
雲長の脳内でまた、鹿威しの音が響く。
「例の刺客の件で、孫尚香殿との婚姻は、両家の間で、なかったことになっている。あんなことがあっては、周囲ももう、政略のために他国との縁を結べとは言わぬだろう。無論あのように盛大な儀を行うことは出来ないだろうが」
沈黙に耐えかねたのか、玄徳は早口に言葉を告いだ。孔明は僅かに唇を上げ、何も言わずに聞いている。
「だから、……な」
孔明が何も言わぬからだろう。玄徳の声は、孔明の静かな視線に吸い込まれるように小さくなって、途絶えた。
また、沈黙。
「玄徳様」
次に沈黙を破ったのは、流石に、孔明のほうだった。目を眇めるようにしたまま、静かに玄徳を見据える。
「そのお話は、なんの了解でしょう」
「……?」
「軍師としての諸葛孔明への問いか、それとも――彼女の師匠としての、諸葛孔明への問いか」
お聞きしても、宜しいですか。
静かな口調には、ひたひたとした、静かに寄せる波のような――やがて満ちて人を沈めてしまうような、重圧があった。玄徳は僅か、苦笑したようだった。
「……怖いな、孔明。どちらのお前も怖いが、……今のお前は、どっちのお前だ?」
「問いに問いで返さないでいただきたいですね」
「ああ、これはすまない。……軍師としてのお前に問うべきだと思うのだが、やはりここは、師匠の許しを得るのが、先だろう」
「奇遇ですね」
今のボクは、たしかに、師匠としてのボクでしたよ。
孔明は小さく笑いを溢した。ひやりとするような迫力が篭ったまま、その笑いは随分と恐ろしいものに見えた。傍で見ている雲長ですらそう感じるのだから、玄徳にはとてつもないプレッシャーだろう。
「ボクは、彼女の幸せを願っています。それを為せるのなら、誰だろうと反対はしません。たとえ、曹孟徳だろうとね」
唐突に出てきた仇敵の名に、玄徳の眉が寄る。物の例えですよ、と孔明は笑って――ふいに、顔から笑みを消した。
「しかし、玄徳様。……貴方にそれが為せるのか、どうも自信が持てないのですよ」
「……」
「あなたは、民を幸せに出来るお方です。そう思うからこそ、此処に居る。ですが、あなたが――たったひとりの、愛するものを幸せに出来るお方かどうかは、別の話だ」
いや、相反する話、とすら言えるでしょう。
淡々と語る孔明の言葉を、玄徳は黙って聞いている。それは、納得できる言葉だった。雲長にとってそうだということは、玄徳にとっても納得できる言葉だということだ。孔明が言葉を切り、わずか、困ったように笑うのを見て、玄徳もまた、小さく苦笑した。
「そうだな。……返す言葉はない。幸せにするとは、言えない。俺にとって守るべき第一は、どうしても、俺を主と頂いてくれる、俺を信頼してくれる皆だ」
淡々と、ある意味冷酷とも言える言葉を紡ぐ主に、孔明は困ったような笑みを深くした。そこで彼女を幸せにすると言い切れない男だと、孔明は勿論承知していたはずだ。その愚直さが、劉玄徳と言う男なのだから。
「それでも、孔明。……幸せにするとは言い切れないが、……彼女に、俺の傍に居てほしいのだ。俺と共に、歩んで欲しい。身勝手な願いだとはわかっているが、これは――俺のせめてもの、証なんだ」
「……証、ですか」
「ああ。……幸せには出来ないかもしれないが、一生、共に歩んで行こうという」
苦も楽も共にしたいと思う、気持ちの、せめてもの。
それは劉玄徳という男の誠実さを、全て現したような言葉だった。孔明は気圧されたように僅かに息をつめ――柔らかく、なにか、諦めたように静かに、笑った。
「――ああ、困ったな」
独り言のように。
「ひとつだけ――彼女が、幸せになるようにしようと。ひとつだけ、ずっと、決めていたんですけど」
呟きは、けれどどこか、爽やかなものを含んでいた。
「でも――貴方が彼女を幸せに出来るかどうか、わからなくても――彼女を幸せに出来るのが貴方だけだというのは、わかるんです」
矛盾しているようですが、と。
孔明は言って、溜息をついた。すっかりいつもの、ゆったりとした笑みに戻っている。玄徳もまた、気が抜けたように、ふ、と、笑った。
「大層な言を頂いてしまったな」
「とても悔しいですが」
「最初から、そう言え」
「言えますか、そんなこと」
流れる、ほのぼのとした空気に、雲長もまた、いつしか詰めていた息を吐いた。まったく、なんでこんん場面に。苦笑が零れる。そして――ふと、思いついた。

「玄兄」
「ん? ……ああ、雲長。なんだ」
「(……本当に俺のことを忘れていたな、この人は)ところでその話は、勿論、花の了承を得ているのですよね?」

瞬間。
玄徳が虚をつかれたような顔をして、孔明がその顔を見てまた、にたりと、意地悪く笑った。
「……玄徳様?」
「……いや、……似たようなことは、言ったが」
彼女がそれを求婚と捕らえているかは……自身無げに呟いた玄徳に、思わず孔明と二人、頷いてしまう。彼女は決して愚鈍ではないが、この手のことに敏いとはとても思えない。
それに――玄徳はどうしても、立場のある身だ。生半な言い方では、彼女もまた、そう受け取ることを躊躇うだろう。
「いやなに……獲らぬ狸でなければ、宜しいのですがね?」
先程のあれは、私達より先に、彼女にこそ語るべきでしょう。その後に――また、改めて。
孔明はにやりとしたままに言って、話は終わり、とばかりに立ち上がった。
「玄兄」
「言うな、雲長」
玄徳は苦笑した。雲長は小さく笑い返す。
「玄兄。……俺も孔明に賛成ですよ」
「ん?」
「彼女を幸せに出来るのは、玄兄だけだ。彼女は別に、幸せにしてもらおうなどとは、思っていないでしょうし」
共に幸せになればいいでしょう――とは、気恥ずかしくて言えなかったが、玄徳には間違いなく伝わったようだった。
玄徳もまた、すこし、恥ずかしげに笑って――求婚の言を考えなければいけないな、と、呟いた。












(最後のシーンはプロポーズだとは思うんですが、まぁ)
(プロポーズより先に保護者の了解を得るのは、ある意味正しい?)
(玄兄がんばる。なによりも大切にすると言えないのは、セイギノミカタの仕様なのか)

拍手[47回]

処女の祈り (孟徳)


鳥篭END後。
ネタが18禁くさいので、覚悟のある方のみどうぞ。

拍手[38回]

・・・おとめのいのり

あなたがいるから (花孔明と雲長)

タイトル通り、花孔明と雲長。
そういえば雲長√のBADだった、と思い出して。


拍手[35回]

・・・(運命共同体)

道を問う (公瑾)

彼女がこちらに戻ってこないのは、あの、どこか凍りついたような仮面を貼り付けた男の謀略なのだろう、と、思っていた。彼は誰にというわけでもなく、恐らくは孫家という彼だけが抱く亡霊に忠実な臣下だった。
それが、どうしてこうなってしまったのか、わからない。
いや、わからないと言ったら、嘘になるのかもしれない。彼女を揚州に遣わしてから、こうなることをある程度は予測していた。それでも、あの男を、あの男のどうしようもない、孤独で頑なな魂を知っていたから、ほんとうにこんなことになるとは思わなかったのだ。

(……本当に、君は、すごい子だ)

すこし感動するように思ったけれど、しかし、それとこれとは、別の話で。
今、孔明は――花を呼び戻すべく、揚州の地を訪れていた。


* * *


「彼女はもともと、一時の使者です。そもそもまだ弟子の身分で、至らない点も多い。ボクの元で鍛えなおさせてもらおうと思いましてね」
「……」
公瑾は例の内心を読ませまいとする笑みを浮かべたまま、何も言わない。孔明は淡々と言葉を重ねた。
「戦が長引いたせいで遅くなりましたが、今は丁度三国の状況も落ち着いている。益州に基盤を固める上で、彼女の力が欲しいというのもあります」
「ふむ。益州の地が安定すれば、我が呉との同盟は必要ないと?」
「それは違う話です。無論そちらとは、出来れば長いお付き合いをお願いしたい。北の赤い輩は、決してこちらを諦めることはないでしょうから。こちらには勿論、新たな使いを立てましょう」
しかし、彼女である必要はない――そう言外に告げると、公瑾は僅か苦笑したようだった。珍しい顔だ、と、思った。
彼にはこの提案を止める手立てはないはずだった、少なくとも表立っては。それ以上のことを言えるような男ではないと踏んでいた。
「孔明殿の言い分はわかりました。ところで、花殿はそれをご存知で?」
公瑾は特に動揺した風もなく、ごくあたりまえのことを訊ねる調子でそう言った。孔明は同じように、特筆すべきことなどないと言うべく言葉を返す。
「彼女はボクの弟子ですから」
「……その意志は関係ないと?」
「公瑾殿には、それこそ関係の無い話かと」
公瑾は、やれやれと言いたげに息を吐いた。すこし、呆れているようでもある。先程から、随分と人めいた仕草をする、と思う。孔明は目を細めた。目の前にいるのは、もう孔明の知る男ではなさそうだ。
「そうかもしれませんが……あまり、いい話には聞こえませんね」
「ボクは、彼女のためを思っているんです。……それに、貴方には言われたくないですね」
「……」
「いくら戦時とは言えと――随分彼女を連れまわしてくれたようだ。そこに、彼女の意志はあったのですかね?」
あるわけがない、と、思いながらの――自分にしては、随分感情的な言い方になってしまったかもしれない。公瑾は僅かに目を瞬いて――本当にさっきから珍しいものを見る――それから、すこし、なにかが痛むように、眉を寄せた。
「……?」
「彼女の意志、ですか」
公瑾の顔が、先程から、余りにもくるくると変わるので、孔明の方が調子を狂わされる。公瑾はそれ以上は何も言わずに、ただ困ったように笑った。
「……、とにかく、」
「孔明殿」
「……」
「彼女が残りたいといったら――その意志を、尊重してはいただけませんか」
それが彼の――とても素直という言葉からは程遠い彼の、精一杯であるということは、見当がついた。けれど孔明は彼の味方ではない。わかるからと言って、手を抜いてやる必要は無い。孔明派はゆっくりと笑って、答えを避けた。
それを、孔明の狙い通りに、拒否ととったのだろう。公瑾はすこし迷うように唇を動かし、息を吸って、意を決したように言葉を吐き掛けて――

「孔明殿、」
「嫁には、やりませんよ」

鋭いはずの双眸が、これ以上ない程大きく、見開かれた。

「一回りも年上で、腹の読めない性格で、自らの命を大切にすることを知らない――そんな男に、どうしたら大事な弟子を預けようと思えますか」
孔明は、畳み掛けるように言った。その全てが、彼には申し開きの出来ないことであるはずだった。
「ボクはね、都督殿。弟子には、どうしても、幸せになってもらいたいんです。……残念ながら、あなたにそれができるとは――」



「――師匠!」



思い切りのいい音と共に扉が開いて、息を切らした花が駆け込んできた。
「今、子敬さんから、聞いて……、なに、勝手なこと、言ってるんですか!」
「ああ、久しぶり。なんだ、せっかくの再会なのに、お転婆だなぁ」
「師匠!」
「勝手なこと、って、子敬殿から何を聞いたの?」
「私を連れて帰る、って」
息を整えながら、真っ直ぐ孔明を見る花に、胸を突かれたような気がした。
「私は、戻りません」
「……君はボクの弟子だろう?」
「師匠には感謝してます。けれど、私は――私は、道を、見つけたんです」
「……」
思わず、目を見開いた。覚えていたのか、と、思う。そして――どうしようもないのだ、と、思う。
「花殿。いきなり飛び込んでくるのは、どうかと思いますよ」
「……! ご、ごめんなさい!」
静かに成り行きを見守っていた公瑾が、口を開く。落ち着いてください、と微笑んだ顔が、あたたかい。この男のことを、あたたかいと思う日が来るだなんて。
「とにかく、師匠――私は、ここに残ります」
「へぇ? ……玄徳殿と仲謀殿が、争う日が来るかもしれないんだよ?」
「そうならないためにも、残りたいんです」
自然と――ほんとうに、息をするように自然と、公瑾の傍に佇んだ花を、真っ直ぐに見ることが出来なかった。逸らした視線が、公瑾を――困ったように、静かに微笑んでいる男を、捕らえる。

(そうか、……そういう、ことか)

不意に、自分がどうしようもない子供であるような気分になった。目の前の男は、こうなることを予測していたのだろう。だから、なにも――孔明の言葉に対して、自らの意志を、抗うようなことを、返すようなことを、なにも、言わなかったのだ。
結局こうして――なにも言えなくなるのが、孔明のほうだということを、知っていたから。

(どうしよう――)
(――これが、負ける、ってことか……)

なんだか、泣きたいような気がした。視線を花へと戻した。一人必死の表情の彼女だけが、何をも承知していない彼女こそが、この場の支配者だった。孔明は出来るだけ丁寧に、細心の注意を込めて、いつもの笑顔を作った。
「……そうか。……そう決めたのなら、道を見つけたのなら、先導の役目は、もうおしまいだね」
「師匠、」
「ひとつだけ、約束してくれる?」
花はしっかりとこちらを見て、頷いた。孔明は、泣きそうなのに妙に清々しい、奇妙な気分の中で、最後の教えを授けた。

「君の見つけた道を失わないように。――失わなければきっと、幸せに、なれるよ」

しあわせになりなさい。
結局、孔明が花に言いたい言葉は、その一言に尽くせるのだった。
視界の端で、男が小さく、目線を下げるのを見た。目礼のような所作に、ちゃんと届いている、と、安心した。
(花が見つけた『道』――周公瑾)
(しあわせにしなければ、許さないからね)
万が一彼女を泣かせるようなことがあれば――決して、許さない。
そんな水面下のやりとりには気付かないままに、花はいつもの、孔明の好きな顔で、明るく頷いたのだった。














(タイトルを『都督がんばる! VS孔明編』にしようか迷った。)

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