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姫金魚草

三国恋戦記中心、三国志関連二次創作サイト

   

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安らかであれ (仲謀√で、花と公瑾)


(仲謀GOOD後)
(死にネタです。ご注意下さい)

拍手[28回]

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・・・(安寧)

立ち直れない(雑記)

書き終わったと思ったら消えた

……明日も仕事なのでもう一回は書けないわけでああもう


みなさんセッション切れには注意しましょうっていうか忍者のセッションの設定が変わったとしか思えん(二度目の過ち)(学習しろ)


明日合わせて二本更新しますはやく帰れたら……
一本は今日書く予定だった子龍くんのおはなしです



……ああ……orz

拍手[11回]

妻の職分 (仲謀)

(間違ったシリアス風味)





孔明の弟子、というのは、ただの肩書きだ。
身分や出自を、証明してくれるようなものではない。花は此処では、親も持たず故郷も持たず、身寄りもなにも持ってはいない、本当にただ個人としての「花」に過ぎない。
此処に残ると決めたときに、覚悟したはずだった。
愛一つ。愛する男の心一つに身を預ける、愚かな選択だと、漠然とながら感じていた。
それでも、縋るようになってはいけないと。
それだけを決めた。身一つで、一人で生きていく覚悟がないなら、ここに残ってはいけないと、知っていた。

* * *

「何をそんなに怒ってる」
廷内の奥の館は、有り体に言えば後宮だった。といっても、小さな離宮のようなつくりで、花と小間使いしかいないのだから、その言葉が表すような女人の住まいとは少し意味合いの違った場所かもしれない。仲謀は花を正妃と立て、妾を入れるつもりはない意志を、明確にではないがそれとなく周りに知らしめていた。
「怒ってないよ」
とかくその、館の一室。花の寝室は、広い寝台も誂えられた、実態を言えば孫夫妻の寝室である。正式な儀を執り行っては居ないものの、仲謀の寵姫は花だけであり、仲謀もまたこの部屋で寝起きをすることが殆どだった。
そんな――甘やかな空気が流れるはずの夜の寝室は、しかし今、ひやりとした空気に包まれている。寝台に腰掛けてだらしなく足を組んだ仲謀は、いつもの傲岸な風情を忘れて、困り果てた子供のような顔をしていた。
「怒ってるだろ。お前、公瑾に似てきたんじゃねーの?」
「え」
「怒ってるときほど笑う」
ひくり、と花の口元が引き攣った。そんな様子がますます公瑾にそっくりだと、仲謀は内心で溜息をつく。口に出したら、さらに怒りそうだから言わないけれど。
「……怒ってない。ただ、……」
花は言いかけて、言葉に迷うように口を閉ざした。言いたいことは、わかっている。
花は日々をこの部屋で、書を読みながら過ごしている。掃除などは女官がやるし、本来であれば妃など、働くようなものではないのだ。しかし花は、自分が何もしていないようで、不安なのだろう。
(子を成すことが仕事だと――言ったら、怒るだろうな)
孔明の弟子として出仕めいたことをしていた、玄徳軍での、そしてこちらでの捕虜としての日々の方が異質だったのだと、言葉を重ねたところで意味もあるまい。彼女はとっくにそんなことを理解している筈だった。
花。
身寄りもなく出自も知れず、寄る辺ない彼女をただ、妻として愛してやればいいと思っていた。それだけで全てが果たされて、自分も彼女も幸せになるのだと、そんなふうに。そんなふうに、世界が優しければ良かったのだけれど。
けれど現実に仲謀には立場があり、彼女をこうして守る程度の力しかなかった。彼女に居場所を与えてやることも出来ず、彼女が居場所を作る努力をすることさえ、認めてやれない程度の虚弱な力だ。
「……来いよ」
溜息と共に、机に向かって書簡を紐解いていた花を手招きする。花は複雑に顔を顰めたまま、大人しく立ち上がって仲謀の隣にやってくる。
「……私は、」
触れ合うことはあまりに自然になりすぎて、触れ合うだけでは何も誤魔化せなくなってしまった。慣れだけの所作で仲謀の肩に身を預けた、彼女は最早少女ではない。
「私は、仲謀と一緒に、未来を拓いていきたかった。仲謀がそう言ったように、一緒に、隣を歩いていきたかった」
なんだか全てが、遠い昔のことのようにも思えた。今でもそう思っていると、口には出せなかった。口に出しても、嘘のように響くだろうから。
日々が過ぎて彼女は、あの日の選択を後悔しているのだろうか。自分は誓いを果たせていないだろうか。果たせていないのかもしれない、と思った。とかくままならないことが多すぎて、仲謀も花も少し、疲れてしまっていた。
「俺は、……」
何を言っていいのかわからなかった。このまま花に口付けて、なんの解決にもならない誤魔化しをしてしまうのは、どうしようもなく安易だった。けれどそうした時間を重ねれば、なにかが壊れてしまうのだろう。
花の、あの頃に比べて随分と長くなった髪を、撫でた。
愛していると告げても、なんの救いにもなりはしない。花は笑ってくれるだろう。ほっとしたように、笑ってくれるだろう。そんな笑顔が欲しいわけではなかった。
沈黙の後に、花はふっと、小さく息を吐いた。駄目だ、と思った。彼女に、諦めるような言葉を、言って欲しいわけではなかった。それならば誤魔化してしまったほうが、よほどマシだ。慌てて口を開きかけた仲謀の前で、花はひどく清々しく笑った。
「お客様が来たんだ、今日」
「……あ?」
唐突な話題の転換に、仲謀は目を瞬いた。花はごく軽い調子で言葉を続けた。来客は、揚州の豪族のうちの一人。娘を仲謀の妻にと画策しているという話のある者からの使いだった。
呉は豪族の集合体だ。その手の話は珍しいことではない。なるべく花に累が及ばぬようにと思っていたつもりだったが、最近は書を読み解けるようになった花が学士を招いて学を深めたがることもあって、来客についての注意を怠っていた。
「私は何も持たないけど、――仲謀のことを、誰よりも想っている自信があるって、そんなことしか、言えなかったけど」
仲謀はどこか、まぶしいような気分になった。
「私にはそれしかないけど――仲謀の隣をまだ、歩いてもいいかな」
花の笑顔は爽やかで、けれど、どこかふつりと切れてしまいそうな危うさがあった。気圧されるように、頷いた。
「充分だろ。……充分だ」
口に出せば本当に、それだけで充分なような気がした。花はほっとしたように笑って、言葉を繋げた。
「じゃあ、……じゃあ、もう、守ってくれなくても、いいよ」
「……あ?」
「そういうのも、私の仕事だと思うから」
目を瞬いた。仕事、と彼女が言うのが何か、――思い至って、胸が痛んだ。
豪族の交わり。煩わしい人間関係は、彼女にとって負担だろうと、そう思っていたけれど。
「そういうふうに、……ちゃんと、頑張るから」
それは若しかしたら、彼女を守るということではなくて、閉じ込めるということだったのかもしれなかった。仲謀の妻として立つということから、遠ざけることだったのかもしれなかった。
「……そうか」
苦笑すると、そうだよ、と、昔のままに彼女が笑った。共に歩むことはあまりにも難しい二人だった。辛い思いをさせるだろうと思った。けれど自分が守ってやるということは、並んで歩くということでは、有り得なかった。
視線が合う。空気のような自然さで瞼を落とした花に、口付ける。幸せにすると誓って、傷つけることを畏れた。大人しく守られているような女ではないことを、最初から知っていたはずなのに。
手を握った。支えあって生きるということを少し、考えた。王者の道を共に歩くということを。大切に大切に、包んで守ってしまいたかった。けれど今は、ただこの手を離さなければいいのだと、少し寂しく、理解していた。














(この手の話は丞相ばかり出てくるけど、仲謀にだって起こりうる問題だよねと思ったり。)
(花ちゃんに「天は赤い河のほとり」みたいな強い奥さんに……なって欲しいわけではないですが)(笑)
(いまいち不完全燃焼なので、もうちょっと深く詰めたいなぁ)

拍手[31回]

やさしいキスを (翼徳)

花は少し、浮かれていた。
玄徳軍が益州に居を構えてから、どうにも忙しい日々が続いていた。
「そろそろ落ち着いてきたし、明日はおやすみにしようか」
「え」
突然孔明がそう言って、明日は一日休みになった。きっと明日はいい天気だよと、かの孔明のお墨付きまで頂いた。なんだかとてもうきうきしてくる。
翼徳は休みではないだろうけれど、調練が早く終わったら、少しのんびりできるかもしれない。久しぶりに手の込んだものを作って待っているのもいい。とにかく、お休みだ。孔明について働くのは楽しいし、役に立っていると思うと誇らしい。それでも毎日書簡に向かい、ばたばたと廷内を走り回りでは、たまの休みも欲しくなる。
「ありがとうございます!」
「うんうん、弟子の喜ぶ顔は嬉しいねぇ。ま、ゆっくり羽を伸ばしておいで」
明後日からはまたしっかり働いてもらうからね――そう釘をさされても、やはり、浮き立つ気分は止められなかった。

* * *

「……翼徳さん、遅いな……」
浮き立つ気分は、数刻も持たなかった。帰ってきて、早速休みのことを伝えようと、わくわくしながら待っているのに、大分夜が更けても翼徳は帰ってこない。
今日は宴の予定はなかったと思うんだけど、仕事が忙しいのかな。冷めた夕餉を前にしょんぼりとしていると、表から声が聞こえてきた。
帰って来た。
ぱっと顔を上げて、館を出、門へと走る。遅かったですねと、文句の一つも言ってやろうと、そう思っていた花は、表の様子を見て固まった。
「……すみません、すっかり潰れてしまわれて」
申し訳なさそうな顔をする兵士が三人。とにかく大柄な翼徳を運ぶのには、並みの兵士が三人は要るということか。微妙に現実逃避気味に思ってから、我ながら冷えた声だと自覚しつつ、問いを発した。
「……今日は、宴席の予定がありましたっけ?」
「え、と。翼徳将軍が、相談があると言って、お酒を持ってこられて」
彼等は悪くない。花にも勿論そんなことはわかるので、追求するのはやめにした。
「そうなんですか。……すみません、私一人じゃ運べないので、中までお願いしてもいいですか?」
「はい」
兵士三人はとかく恐縮した面持ちだ。そのうちの一人が見知った顔だと気がついて、花はますます気分が下がるのを感じた。
「あれ、……芙蓉姫の」
「あ、えっと、……はい」
僅かに頬を染めて頷いた兵士は、雲長の部下の、名前は忘れてしまったけれど、最近芙蓉姫の想いの通じた相手だ。これは芙蓉姫にまで迷惑をかけたかもしれないと思えば、思わず溜息も漏れてしまう。
明日の休みは、この件を質すところからはじまりそうだ。……うきうきしていた気分が吹き飛んでしまうには、充分すぎる出来事だった。

* * *

三人がかりで寝台まで運んでもらって、やっと落ち着く。翼徳は何も知らぬ顔で、平和な寝息を立てている。恨めしい、と思いながら、つんとその頬をつついた。
最近はこんなことも、随分減ってきていたのに。
翼徳は、酒癖のいいほうではない。それでも花と――祝言を挙げてからは、あまり無茶をやらなくなっていた。
喉もと過ぎれば? ……少し違うか。
(それとも、……違わない、のかな)
嫌な考えだ。慌てて頭を振る。相談事と言っていた。もちろん、なにか事情があって……
(……相談、ごと)
嫌な考えが――嫌な方向に、結びつく。
今はこうして二人――花も孔明の元で働いているから、家のことを手伝ってくれる者は雇っているけれど、基本的には二人で、館で暮らしている。
(いやに、なった、とか)
人の気持ちは移ろうものだ。花だって、それくらいのことは弁えている。
反面、突飛な考えであるともわかっていた。翼徳は変わらずやさしいし、忙しいけど幸せな日々を過ごしていると思う。
(……だけど)
疑う理由も、――あるのだ。
花は、眠る翼徳を見下ろした。子供のような顔で眠っている。……寝顔を見るのは、久しぶりだった。
同じ褥で寝ていないなど、芙蓉姫あたりが知ったら愕然とするだろう。物凄い勢いで問いただしてくるか、翼徳のところに殴りこみに行くか。
遅くなることもあるからと。
自分は身体が大きいからと。
そんな風にしどろもどろに言って、翼徳は花のために寝室を一つ誂えた。どちらも頷ける理由ではあったので、それ以来花はそちらで寝起きをしている。
寂しいと思うのは、はしたないだろうか。
花は翼徳の髪に手を伸ばした。癖のある、柔らかい髪。なんだか随分と、ふれていないような気がした。
「……さみしい、です」
だからあんなに、休みが嬉しかったのかもしれない。翼徳と少しでも長い時間一緒にいられるかもしれないと、思ったから。
その瞬間に。
「……ん」
手の中の髪が、ふわりと揺れた。小さな声の後、ゆっくりと目が開かれる。
起こしてしまった、と、慌てて手を離す。
そのままひっこめようとした腕が、掴まれた。
「!」
「……花、」
まだ酔いが残っているのか、とろりとした目をしている。手が熱い。どうしていいかわからずに固まっていると、そのままぐいと腕を引かれた。
翼徳の胸に、倒れこむような形になる。酔っているからだろうか、なんだかとても熱い肌に、どくんと一つ大きく鼓動が跳ねた。
「翼徳さ、」
「花、」
息も熱い――なにもかもが、融かされる、と思うほどに、熱かった。身動きが取れなくなる。痛みを感じるほどの、強い力で抱きしめられた。
「……っ」
息が詰まる。痛いのに、嬉しいと思う。もっと強く抱きしめて欲しいと思う。抱きしめ返そうと背に回した腕が、呟きで止まった。
「壊さないかって、……聞いたんだ」
「……え?」
「ちっちゃくて細くてやわらかくて。……オレみたいなのが触ったら、潰れちゃうんじゃないかって」
何の話だろうと思い、思い至った瞬間に、体温が上がる。
「大丈夫だって笑われた。……大丈夫なのかな。痛くない?」
少し痛い。けれど、嬉しいほうが強いから、痛くないです、とささやきを返した。あまり、聞こえている気はしないけれど。
「やさしくしたい。痛いのはダメだ。……でも一緒に寝てたり。ぎゅってしてると。そういうことを忘れちゃうんだ」
「……」
そんなことを。
そんなことを、考えていたのか。
なんだか脱力してしまうような、笑ってしまうような――どうしようもなく、嬉しいような。
口の端が上がってしまう。止まっていた手で、思い切り抱きしめる。
「忘れちゃってください」
そんなことは、忘れたって、全く構わないことだから。
「忘れて――もっとずっと、ぎゅってしてください」
どうしようもなく幸福だ。花の声に、翼徳が頷いたような気がした。腕の力が僅かに緩んで、顔が見えた。まだとろんとしている目だ、今日のことは忘れてしまうかもしれない。
けれど――こうして想いが聞けた。
翼徳の唇が、降りてくる。反射で目を閉じると、その優しい唇は、唇ではなく頬におちた。いとおしむように慈しむように、とにかくただただ、大切にするように。
花もまた、同じ思いを込めて、口付けを返した。今日はこのまま、眠ってしまおうと思う。くっついて、ぎゅっとして。

何せ明日は、おやすみなのだから。














(頬へのキスは、厚意の)
(まだぷらとにっくな……)(え)

拍手[25回]

  

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