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姫金魚草

三国恋戦記中心、三国志関連二次創作サイト

   
カテゴリー「恋戦記・呉」の記事一覧

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ドキッ☆周瑜だらけの(ry (公瑾?)

調子に乗って落書きした結果がこれだよ!





ついにペン入れすら諦めた落書きは以下↓

拍手[16回]

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・・・絵とか書けない

どうしていいかわからない(仲謀)

俺は、前言を翻すような男ではない。
約定を違えるなどということは、人としては勿論のこと、なにより孫家のものとして、絶対にやってはならないことだと、わかっている。

それでも。
(それでも今は、絶対、どう考えても、コイツが悪いだろうが――!)
内心で思い切り叫びながら。
仲謀は、肩によりかかって浅く寝息を立てる花を起こさないように、小さく溜息をついたのだった。


* * *


どうしてこうなった。
はじめは花が、字を習いたいと言ってきた筈だった。仮にも軍師の身の上で、文盲では外聞が悪いだろうし、なにより何も出来ないのが辛いと、そんないじらしいことを言っていた。
丁度手が空いたところだったので、後に専門の師をつけることを言って、せっかくだからと軽く講義めいたことをやったのだ。
その場にあった報告書の中から、わかりやすいものを選んで広げて、ひとつの書簡をふたりで見るのだからと、長椅子に並んで座って。
書簡を覗き込む花の、柔らかそうな髪から、少しいい匂いがするような気がして、あまり集中できなかったが――いや、今はそんなことはどうでもいいのだ。
もしかしたら、その集中力のなさが、伝染したのかもしれない。
最初のうちは難しい顔をして聞いていた花が、いつの間にか困ったような顔になり、やがて疲れたような顔になって――休憩するかと声を掛けようとしたそのときに、くたり、とこちらに寄りかかってきたのだ。

(まぁ、百歩譲って)
(俺の説明はそう上手くねぇし、その上全くわからん文字を延々見させられて、眠くなるのは仕方ないとしても)
(――しても、だ)

仮にも――まだ付き合って間もない恋人の肩にもたれて、あっさりと寝息が立てられるというのは、――信用されているというよりも、まるで、想われていないようではないか。
(コイツに、んなつもりはねーんだろうけど)
あの過去での一夜でも、なんの警戒もなく寝入ってしまえる女だ。
単純に、この手のことに疎いというだけなのだろうと、理解は出来るが。
(……俺が、こんなに)
隣に座って。触れているわけでもないのに、体温が感じられる気がして、気を散らせてしまっていたのに。
彼女は恐らく、真面目に書簡ばかりを見て、――こんなに距離が近いことも、全く気にならなかったのだろう。
今だって、こちらは心音で彼女を起こしてしまわないか、そんなことすら気になるほど、動揺しているというのに。
(……、くそ)
なんであんなことを言ってしまったのか。
あの言葉さえなければ、このまま花に触れて、口付けをして――お前が悪いのだと、言ってしまえるのに。
(式を挙げるまで、なんて)
(長すぎるんだよ)
こんなに近くにいて、こんな風に体温を感じて、柔らかな寝息が聞こえて、仄かに香る彼女の香りを嗅いで。

(……、ああ、もう)

どうしていいかわからない。
顔に触れると、頬の熱さが、赤くなっている顔を自覚させる。かくりと頭を下げて、出来ることはただ一つ、花が一刻も早く目覚めてくれることを祈ることだけだった。




* * *

(……どうしよう)
(……なんかすごい困ってる……起きれない)
(……)
(仲謀、あったかいな)
(……抱きしめられたら、もっと、あったかいかな……)
(……!)
(な、何考えてるんだろう、私)
(どうしよう、きっと顔赤くなっちゃってるよ……)
(ああ、)
(どうしていいか、わかんないよ)


お互いにお互いの思惑を抱えたまま、奇妙な緊張を孕んだ静寂は、運の悪い使いの兵士が、新しい書簡を仲謀の元に届けに来るまで、破られることが無いのだった。








(王子は待てのできる子です)

拍手[44回]

唯一で無二の貴方へ(公瑾)

(公瑾GOOD後、CDネタは持ってないのでなかったことにしています/花嫁修業)




「……ごあいさつ?」
「そんな、日本語でおkみたいな顔しなくてもいいじゃないですか」
「メタな発言やめましょう……(ここって何語なんだろう?)じゃなくて、えーっと、誰にですか?」
「ベタなボケもやめましょうか」
にこにこといつもの顔で笑われると真意が読めない。
喬姉妹は私の前では大分表情が変わるというけれど、余り自覚出来ないのが残念なところだ。せいぜい、不機嫌な顔は多いかも、と思うくらいで。
でも、このあいだ呉に遊びに来た芙蓉姫からも、「花の前だとあの仮面がぼろぼろ剥がれて面白いわ」と言っていたから、事実なのは確かだろう。
(……今、わかりやすければいいのに)
恨めしく見上げても、公瑾の笑顔は変わらない。
花は精一杯眉を寄せた。
「か、身体が治りきってから、のほうが」
しどろもどろになってしまうのが悔しいけれど、緊張してしまうのは仕方が無い。
そう、喬姉妹に聞いたのだ。公瑾の家は、呉でも指折りの名家だと。
花自身はごく一般庶民の家に生まれた上、今はその家も無い身の上だと言っていい。身分的に釣り合うわけが無いのは当然のことながら、年齢的にも、十の開きがある二人だ。
「もう、治ったようなものですよ」
「……信用できません」
「おや」
前科がある身だ。公瑾は肩を竦めた。
「……ですが、……こちらにも事情というものがあるのです。協力してはいただけませんか」
(……あ、)
(……今は、わかった)
笑顔は変わらないように見えて――けれど確かに変わったのを、感じた。
ほんの僅かだけ笑みの色が薄れて、覗いたのは、真摯な眼差しだった。
「わかりました」
それだけで、どんな願いでも聞いてしまえる気がした。感情を悟らせない公瑾の、ほんの時折触れることの出来る生身の思いは、なんでもとても愛おしいと思う。
「ありがとうございます。……では、行きましょうか」
「え、すぐですか」
「はい。思い立ったが吉日、と、言うでしょう?」
「(……この時代にも、言うのかなぁ……)」


* * *


連れて行かれたのは、静かな丘のようなところだった。
長江を臨むその丘は、穏やで静謐な空気が漂っている。
「……ここ、は?」
「言ったでしょう。挨拶に行くと」
この丘が墓標だと気付くまでに、少しの時間が必要だった。
来る途中で詰んでいた花を静かに置いて、公瑾が目を閉じる。
美しいと、思った。
ふわりと風が待って、ざあ、と、草が音を立てる。
ここは、聖域なのだ。
隣に並んで、手を合わせる。ここに眠っているであろう人。孫伯符という人のことを、少し考えた。
呉にとって無二であった人。――周公瑾にとって、無二であった人。
私は彼のことを何も知らないけれど、呉の人々に残る彼の存在が、その偉大さを、その性質を教えてくれる。
花がゆっくりと目を開けても、公瑾いまだ、祈るように頭を垂れたままだった。
(――ああ、)
(この人を、幸せにしよう)
その思いは、湧きあがるように胸に起こり、そのまま溢れるようだった。
墓参に行くと言えなかったのは、彼の弱さだ。
一番弱い部分を晒すことを最後まで怖がる、彼の。

「……花?」
「、はい」
「どうしたのですか」
「?」

いつの間にかこちらを向いていた公瑾が、不思議そうな顔をする。
「泣きそうな顔を、していましたよ。……伯符のことを、考えていたんですか?」
否と答えることは、この場には相応しくない。
けれど、私は首を振った。
「……ならば、何を?」
「公瑾さんのことを」
「……、」
「公瑾さんを、幸せにしたい、って、……考えていました。ごめんなさい」
ざぁ、と。
もう一度、少し強い風が吹いた。公瑾は驚いたように眉を上げた。それから、困ったように笑う。
「何故、謝るのです」
「わからない、ですけど」
此処に眠る、強く、優しく、公瑾の唯一であったであろう人。
「伯符さんから、公瑾さんを、……奪ってしまうような気がしたからかもしれません。此処は、伯符さんと、公瑾さんのための場所なのに」
「……」
だから、ごめんなさい。
口に出すと、それは随分と重い、真実であるような気がした。泣いてはだめだと思うけれど、込み上げてくるものがある。
だって私が、思わなかったと、誰が言えるだろう。
あのとき、死に掛けたこの人の手を握って、連れて行かないでと願わなかったと、誰が――
「……そんな顔をさせるために、つれて来た訳ではありませんよ」
「ごめ、なさ」
「……やれやれ」
公瑾は溜息とともに、花の身体を抱き寄せた。
「こんなことまで先に言われてしまうとはね。……挨拶に来たと言ったでしょう」
「……」
「私にも、幸せにしたい人が出来たと――伯符以来の、大切な者が出来たと、そう言いにきたのですよ」
紹介しないと、祟られそうですからね。
最後は冗談めかして、公瑾はそう言葉を結んだ。
手が、自然と、縋りつくように公瑾の胸元を掴んでしまう。離さないように。離れないように。
「……!」
そのとき、光が射した。
光が丘を包み込む。柔らかな風が吹いて、二人の髪を擽るように揺らす。

「……笑われているような気がします」
「え?」
「時間がかかりすぎだと。心配を、掛け過ぎたかもしれません」

公瑾は穏やかな顔で、何時もの笑みよりも優しく、柔らかく、温かい顔で、微笑んだ。
胸元から手を離して、代わりに手を握った。誓うように。

――幸せにしたい。






「……嫁の方が男前だといわれたような気がします……」
「ず、随分具体的ですね」
「でもまぁ、私はどちらでも構いませんから」
「え?」
「幸せにしていただいても。私が貴女を幸せにすることさえ出来ればいいですから」
どうぞ、思う存分、私を幸せにしてください。
そう笑う公瑾はなんだか充分に幸せそうで、多分私も幸せそうに見えるのだろうと思ったら、願いなんて何でも簡単に叶う気がして、握る手にきゅっと力を込めた。







(今頃策は天国で大爆笑だよ! 「あいつのあんな緩んだ顔はじめて見た!(げらげら)」みたいな!)

拍手[50回]

  

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