姫金魚草
三国恋戦記中心、三国志関連二次創作サイト
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丞相がんばる!(vs孔明) (孟徳)
(孟徳GOOD後に孔明と孟徳が話す機会なんてなさそうですが、まぁ、パラレルのようなものだと思ってください)
緊張感に満ちた会合が一旦お開きになり、休息のためにと茶が運ばれてきてからも、場の空気は一向に和む気配を見せなかった。
(……)
(……胃が痛い……)
文若はひとり、こっそりと溜息をつく。ぴりぴりを通り越して触れたら切れるのではないかと思うような空気の原因は、言うまでもなく彼の主である曹孟徳と――蜀からの使者としてやってきた、諸葛孔明の、威嚇しあうような笑顔にある。
(歯を剥き出しにして口角を上げる……なるほど威嚇だ)
妙なところに納得しても、事態は全く好転しない。
生来無口な性質のお陰で、この嫌な沈黙の仲裁に入らないで済むことを、文若は心底安堵した。
「それにしても、伏龍がこれほどのものとはね。惜しいことをしたなぁ」
「何をおっしゃいますやら」
「もっとちゃんと知ってれば、なんとしてでも手に入れたのに」
「元直のように?」
「手厳しいね」
(あんたたちの会話が私の胃に厳しいわ)
とは、口が裂けても言えない文若である。
「でもまぁ、その弟子は幸いにして俺のところに居るし、贅沢言っちゃいけないよね」
「ああ、彼女は元気でやっていますか?」
(表情を変えない。流石孔明だな)
「勿論。式の準備もはじめてるしね――そうそう、是非彼女の師匠である君にも参加して欲しい」
「……式、」
(……引き攣った。口元が引き攣ったぞ孔明)
「うん、三国もこうして――平穏なわけだし。いい時期だろう?」
「……失礼ですが、丞相には夫人が」
(誰も踏めない地雷原を踏み抜くとは……)
「ああ、うん。でも、彼女は長い付き合いだから第一夫人としてた、ってだけだしね。こうやって正式に迎えるのは初めてだよ。なんだかわくわくするなぁ」
「若い妻にはしゃぐとは、まるで老体ですね」
(孔明から遠慮がなくなってきている……丞相も、他国の、しかも彼女の師匠――保護者のような者にたいして、そんな言い方をする必要はあるまいに)
「安定感があると言ってほしいな」
(うむ、花殿に聞かせてやりたい台詞だ)
「……文若殿」
(って、いきなり話を振るな孔明!)
「……はい?」
「花に、いつでも実家に帰っておいで、と伝えてくれませんか。ボクはいつでも君の見方だからと」
「……、」
(赤いのの視線やべぇ)(←キャラ崩壊気味)
「迷子だった彼女に手を差し伸べたときのように、蜀の皆はいつでも彼女を歓迎すると」
(てもこの慈愛に満ちた師匠オーラ相手に頷かないのも不可能……)
「……、はい」
「まぁ、最終的には俺のところに戻ってきてくれるわけだし、里帰りくらいならいつでも構わないよ」
(ってそこで油を注ぐか!)
「どうでしょう。悪い伴侶から守るのも親の務めですから」
「……」
「……」
(……帰りたい……花の淹れる茶が飲みたい)
「……丞相」
「ん?」
「ボクはね、ずっとあなたに見つからないよう、隠れていたんですよ。あなたのところにだけは、絶対に、仕官するつもりはありませんでしたから」
「……へぇ。随分嫌われたものだね」
「ええ。十年前からずっと、嫌いだったんです」
「……」
(……んん? なんだこの空気は……?)
「孔明。……式には、必ず出席するように。ちゃんと、幸せな夫婦の姿を、見せるからさ」
「……」
孔明は、やれやれ、と言いたげに笑った。
諦めたような、曖昧な笑みだった。
「……あのときからちゃんと、幸せな夫婦に見えましたよ。悔しいくらいにね」
(丞相 は 孔明 を たおした!
「師匠のお許し」 を 手に入れた!)
(続くかは、とても未定)
緊張感に満ちた会合が一旦お開きになり、休息のためにと茶が運ばれてきてからも、場の空気は一向に和む気配を見せなかった。
(……)
(……胃が痛い……)
文若はひとり、こっそりと溜息をつく。ぴりぴりを通り越して触れたら切れるのではないかと思うような空気の原因は、言うまでもなく彼の主である曹孟徳と――蜀からの使者としてやってきた、諸葛孔明の、威嚇しあうような笑顔にある。
(歯を剥き出しにして口角を上げる……なるほど威嚇だ)
妙なところに納得しても、事態は全く好転しない。
生来無口な性質のお陰で、この嫌な沈黙の仲裁に入らないで済むことを、文若は心底安堵した。
「それにしても、伏龍がこれほどのものとはね。惜しいことをしたなぁ」
「何をおっしゃいますやら」
「もっとちゃんと知ってれば、なんとしてでも手に入れたのに」
「元直のように?」
「手厳しいね」
(あんたたちの会話が私の胃に厳しいわ)
とは、口が裂けても言えない文若である。
「でもまぁ、その弟子は幸いにして俺のところに居るし、贅沢言っちゃいけないよね」
「ああ、彼女は元気でやっていますか?」
(表情を変えない。流石孔明だな)
「勿論。式の準備もはじめてるしね――そうそう、是非彼女の師匠である君にも参加して欲しい」
「……式、」
(……引き攣った。口元が引き攣ったぞ孔明)
「うん、三国もこうして――平穏なわけだし。いい時期だろう?」
「……失礼ですが、丞相には夫人が」
(誰も踏めない地雷原を踏み抜くとは……)
「ああ、うん。でも、彼女は長い付き合いだから第一夫人としてた、ってだけだしね。こうやって正式に迎えるのは初めてだよ。なんだかわくわくするなぁ」
「若い妻にはしゃぐとは、まるで老体ですね」
(孔明から遠慮がなくなってきている……丞相も、他国の、しかも彼女の師匠――保護者のような者にたいして、そんな言い方をする必要はあるまいに)
「安定感があると言ってほしいな」
(うむ、花殿に聞かせてやりたい台詞だ)
「……文若殿」
(って、いきなり話を振るな孔明!)
「……はい?」
「花に、いつでも実家に帰っておいで、と伝えてくれませんか。ボクはいつでも君の見方だからと」
「……、」
(赤いのの視線やべぇ)(←キャラ崩壊気味)
「迷子だった彼女に手を差し伸べたときのように、蜀の皆はいつでも彼女を歓迎すると」
(てもこの慈愛に満ちた師匠オーラ相手に頷かないのも不可能……)
「……、はい」
「まぁ、最終的には俺のところに戻ってきてくれるわけだし、里帰りくらいならいつでも構わないよ」
(ってそこで油を注ぐか!)
「どうでしょう。悪い伴侶から守るのも親の務めですから」
「……」
「……」
(……帰りたい……花の淹れる茶が飲みたい)
「……丞相」
「ん?」
「ボクはね、ずっとあなたに見つからないよう、隠れていたんですよ。あなたのところにだけは、絶対に、仕官するつもりはありませんでしたから」
「……へぇ。随分嫌われたものだね」
「ええ。十年前からずっと、嫌いだったんです」
「……」
(……んん? なんだこの空気は……?)
「孔明。……式には、必ず出席するように。ちゃんと、幸せな夫婦の姿を、見せるからさ」
「……」
孔明は、やれやれ、と言いたげに笑った。
諦めたような、曖昧な笑みだった。
「……あのときからちゃんと、幸せな夫婦に見えましたよ。悔しいくらいにね」
(丞相 は 孔明 を たおした!
「師匠のお許し」 を 手に入れた!)
(続くかは、とても未定)
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